2025.07.16
令和7年6月24日 中国電力株式会社島根原子力発電所
産業活性化委員会では、2025年度事業計画「脱炭素関連の先進地視察・相互研修」に基づき、脱炭素効果の高い電源である原子力発電所の視察を計画しました。
視察先である中国電力株式会社島根原子力発電所は、今年1月、2号機が約13年ぶりに営業運転を再開し、大きなニュースとなりました。さらに3号機は、運転開始に向けて建設工事の最終段階を迎えており、今まさに世間からの注目を浴びている発電所です。
島根経済同友会では、記録が残る2000年以降に島根原子力発電所への視察実績がなく、今回が初めての視察となります。しまねフォーラム・エネルギー問題協議会(※)からの提案を受け、同協議会の行事に委員会活動として参加する形で実施することとし、総勢15名の参加がありました。
※「しまねフォーラム・エネルギー問題協議会」について
松江商工会議所内に事務局を置き、エネルギーと環境問題について、企業や一般県民に広く理解と正しい認識を得るための啓発活動を展開している団体。1994年11月に設立し、会員数は78社(2025年4月時点)。
当会も参加しており、事務局長が協議会の専門委員会委員に委嘱されている。
視察について、はじめに島根原子力発電所に隣接する島根原子力館で、島根原子力発電所の概要や原子力発電のしくみ、日本のエネルギー政策における原子力発電の必要性、福島第一原子力発電所の事故を踏まえた安全対策などについて概要説明がありました。その後バスに乗車し、ゲートで警備員のチェックを受けた後、島根原子力発電所の構内へ入りました。構内をバスで移動しながら、耐震性を強化した受電設備や、高台に設置されたガスタービン発電機、冷却機能を確保するための貯水設備、津波による浸水を防ぐ海抜15mの防波壁、さらに、万が一の事故の際に指揮所となる緊急時対策所など、様々な安全対策の紹介がありました。その後、2班に分かれて島根3号機の内部に入り、中央制御室や原子炉建物、タービン建物の主要な設備を間近で見ながら、丁寧に説明をしていただきました。今後、安全対策工事の進捗等によって立ち入ることができなくなる場所もあり、大変貴重な機会となりました。
視察終了後、鹿島町内の日帰り温泉施設「鹿島 多久の湯」へ会場を移し、昼食を兼ねて、ご案内いただいた中国電力株式会社島根原子力本部のみなさまと意見交換を行いました。
本年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」において、原子力発電はエネルギー安全保障・脱炭素の観点から今後最大限活用する方向性が示されており、島国でありエネルギーのほとんどを海外からの輸入に依存している我が国において、安全性を前提とした原子力発電は益々重要な役割を果たします。
今回の視察において、知識として知っていた原子力発電所の大きさを肌で感じ、また、福島第一原子力発電所の事故を踏まえた一層の安全性向上のための取り組みを知ることができ、エネルギーについて考える良いきっかけとなりました。
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